脳性麻痺 低緊張児
脳性麻痺の子どもの中に低緊張が強い子どもがいます。脳性麻痺と診断がついていなくも脳の障害によって低緊張を生じている子どもについて書きます。同じ低緊張が強い子どもでも筋肉の病気や脊髄神経の病気などによる低緊張が強い子どももますので注意してください。
脳障害による低緊張の子どもは抗重力姿勢がとりにくいという特徴があります。絵ようにお座りで二つ折れになったりする子もいます。抗重力姿勢がとりにくい原因として物理的な側面と感覚的な側面があると思います。
物理的な側面とは筋力や耐久性の問題として抗重力姿勢が保てないという側面です。比較的わかりやすい側面で少しずつ筋力や姿勢耐久性をつけていくような日常の工夫をします。
感覚的な側面とは筋肉が収縮している時の感覚(固有感覚)が入りにくいという側面です。固有感覚が入りにくいと座位ならば座位の時の身体の状態を脳の中に記憶することがしにくくなります。座位という記憶が頭の中になければ自分から座位になろういう事を思いつきにくくなりますし、その姿勢を保つということも難しくなります。*ちなみにそのような記憶のうち意識が関与しない記憶について身体図式(ボディスキーマ)と呼び、意識が関与する身体の記憶は身体像(ボディイメージ)と言います。自分の身体の位置の感覚情報がはいりにくいのは低緊張の子どもにとって大きな問題の一つです。
このように姿勢保持に困難性を持つ低緊張の子どもの日常の工夫として
①マッサージやふれあい遊びなど身体の感覚を使う経験をする
②特別に工夫された椅子や立位保持具を使用して抗重力姿勢をとる時間をつくる
③介助方法を工夫して抗重力姿勢をとる時間をつくる
などがあります。
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