予後を伝える時に注意すること
予後というのは将来その子がどんな状態になるのかの予測のことです。セラピストは地域で家族や関係者と話し合いをもつことがあります。一般にはそういう会議の場で障害の専門家として期待されることは予後と具体的な対応を伝える事と言われています。
ただ、専門家とされる人の発言には影響力があるので注意が必要です。例えば他の施設との会議の場で理学療法士が「この子は歩けるようにはなりません、歩けるようになることを期待して関わるのは適切ではありません。」とだけ伝えたらどうでしょうか。介助すれば立つことができる子なのに施設の職員さんは立たせる事もやめてしまうかもしれません。「もしかして脚の関節に悪い影響があるのかもしれない。」と勘違いしてしまうかもしれません。
予後を伝える時には「できるようになること」「できるようになったらこんなに良いことが起きるよということ」をセットにして伝えてほしいのです。どんな素敵な未来があるのかを伝えるために専門家がいるのではないでしょうか。
手をつないで歩けるようになったら、その子と手をつないで歩いてくれる大人が増えるのです。色々な人と手をつないで歩けるようになるのです。その事がどれだけ大きな発達なのかを語れる人になってほしいのです。
もちろん子どもの心や身体にとって無理のある練習を続けているならば中止しなければなりません。それも専門家として大切な事です。ただ、できないことだけを言っているならば片手落ちだと思うのです。
振り返れば私たちにも「できないこと」は山ほどあって、それだけをわざわざ言われても辛いというのは子どもにとっても同じことです。
コメント
PTです。日々現場にいて思うことは、保護者や他職種や他機関から専門家としての意見を期待されているという事です。
上手く答える事(その場を収めようとする事)よりもその人の持つ不安、疑問、質問に対して一生懸命考えることを意識しています。
それを自身のスモールタスクと捉えて、対応しています。
また、子どもを中心に専門家の強みと危険性を改めて確認出来ました。
ありがとうございました。