脳性麻痺 クロートウ(Claw toe)

 

痙直型の脳性麻痺をもったお子さんの中に足のゆびが曲がっている状態で体重を支えている子どもがいます。クロートウといって足のゆびを曲げる筋肉の緊張が高いと生じます。大人の脳卒中後の後遺症でもこのような足で体重を支える方がいます。

何十年か前に私が新人の頃痙直型の子どもに立位の練習をしている時、足のゆびが曲がった状態のままで立たせていると指導者の先生からストレッチなどして足のゆびが伸びた状態で立たせないといけないと指導を受けました。
   
足の裏の体重負荷の感覚をしっかりいれると、それが無意識に脳の中で別の足の状態として記憶され、後に足のゆびを伸ばした状態で立てるようになる可能性があることを後で知りました。それは形だけの問題ではなく、バランスや歩行能力の向上にもつながります。

もちろん麻痺の状態によってそれを経験させるだけでは改善しない子どももいますが、特に年齢の小さいうちは感覚運動の神経ネットワークの働きの向上が期待できるのでPTの時は必ずしっかり足のゆびを伸ばして立たせますし、お父さんやお母さんにも家で手がとれる時は足のゆびを伸ばすように助言しています。

そうした指導でどの子どもは感覚運動経験が運動の改善につながり、どの子どもは改善につながらないのかを事前に子どもに何らかのテストしてみて判別できればいいのですが、正直やってみなければわからないということはあります。やってみなければ改善する可能性はゼロですから、やってみて経過を追い判断するようにするのが良いと思っています。




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