レット症候群
レット症候群は主に女の子に発症する遺伝性疾患です。1万~2万3千人に一人くらいの発生頻度です。
発症は乳児期後期からですが、成長に伴って症状変化するので①発達停滞期②退行期③仮性安定期④晩期機能低下4つのステージに分けて考えると理解しやすいといわれています。
症状は多様で一人一人の差があります。知的障害や自閉症状に加えて運動症状が出現します。運動症状の代表的なものは不随意的で繰り返して出現する上肢の手もみ運動、運動失行、バランス障害、変形拘縮(側弯・尖足など)などがあげられます。
色々な運動症状に対応した理学療法が必要ですが、セラピストが不随意運動や運動失行の存在をしっかりと意識することは大切だと思います。思ったり、感じたりしていても運動表出が限定されてしまう子どもとして考え、比較的意思が表現しやすい目の表情や、一見意味なく思えてしまう行動の意味付け、好きなことをが多い音楽の利用などから本人の潜在能力をみつけるという意識で関わると大きな発見があるように感じます。また、変形の予防も大切な観点であるのでおろそかにしてはいけません。
日本レット症候群協会ホームページの中のレット症候群患児のご両親へのという項目をクリックしていただけるとレット博士の講演要旨という文章がのっています。レット症候群を持つこどもに対する愛情深い文章です。私は臨床を行っていく上で非常に啓発されました。
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