運動発達の評価

 

「運動発達は小児の理学療法をする時は基本でだからしっかり勉強するように」と就職して間もない頃に先輩からいわれまて資料をわたされました。当初とにかく丸暗記をしていたのですが、経験を経て一人の子どもの運藤発達状況を姿勢別・身体部位別に評価して他の神経学的検査や行動学的評価との関係を考察できる場合が多くなりました。

例えばその子の歴年齢が7ヵ月、腹臥位の発達は3ヵ月、背臥位の発達は6ヵ月、座位の発達は3ヵ月とするという子どもがいたとします。腹臥位と座位の発達の遅れが強くでていることわかります。筋緊張など他の評価結果と合わせるとその原因は低緊張に伴う抗重力伸展活動の弱さということがいえる子かもしれません。抗重力伸展活動高めるようなプログラムを取り入れることを考えます。

例えばその子の暦年齢7ヵ月で運動発達が腹臥位が4ヵ月、背臥位が4ヵ月であった場合に神経学的検査で下部体幹に低緊張があり、下肢に過緊張があったり、腱反射亢進があったりすCPの痙直型両麻痺のリスクを疑いますし、理学療法においては下部体幹のコントロールや下肢の運動性を向上させることをプログラムにとりいれるかもしれません。

運動の発達を姿勢別、身体部位別に熟知してくると、行動面の発達や神経学的評価と組み合わせてより有効な臨床的なアセスメントとして活用することができるようになります。

同時に標準的評価尺度が進歩してきて臨床的なアセスメントにも利用できることについては重要な観点であると思っています。興味があれば近藤の論文をお読みください。参考文献として書いておきます。

参考文献
近藤和泉:小児リハビリテーション 分野で使用する評価尺度 について:Jpn J Rehabil Med Vol. 53 No. 5 2016

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