脳性麻痺 失調型

 


脳性麻痺のタイプに失調型というのがあります。小脳システムの障害だといわれています。理学療法の教科書では痙直型、アテトーゼ型に比べて記載が少ないことが多く臨床像がわからないPTも多いようです。

症状として協調運動の障害、バランスの障害があります。手先が震えたり、姿勢を保つことが苦手です。動きがゆっくりと書かれている教科書もあります。確かに歩行の時など支持基底面を広げてバランスを代償してゆっくり歩く子もいますが、中には倒れこむようにスピードを出し過ぎて歩くような子もいます。

最近は小脳システムの障害は運動の予測や学習に問題がでるといわれています。倒れこむように歩く子どもの場合は、どの程度スピードで歩き出すと良いかの予測が難しい子どもです。

その子の歩行練習プログラムはただ目的地まで歩くという課題にするよりも、目的地まで歩いた後、止まってそこで積み木を積むという課題にした方がと動き出しのスピードを制限して歩く練習になります。

バランス反応が苦手、運動結果の予測が悪い、同じ失敗を繰り返すなどの症状は多くの小脳システム障害の子にもみられます。ただ、子どもによって苦手さの度合いは色々です。その子の苦手さの状況を評価した上で、その子合わせたプログラムを検討しましょう。


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