重症心身障害児 姿勢選択のチームアプローチ
人の活動とそれに伴う姿勢変化
一般に誰でも姿勢は生活活動によって選択されます。休息から活動へとその子どもが何を欲求しているかで適した姿勢は変化します。立位は一番活動的です。座位は目と手を使う活動や食事に適しています。臥位は休息に適しています。逆にある姿勢をとることでそれに応じた活動状態になるという現象もみられます。(例 ふとんに横になったら寝ていた いい椅子に座ったら勉強する気がおきてきた etc.)
重症心身障害児の姿勢選択はその子の活動や休息をどのようにとっていくのかということによって変わってきます。そしてそれはその子がな何を要求しているのかによって変わってきます。
マズローの5段階欲求説というのがあります。人間は色々なレベルの欲求によって行動しています。重症心身障害を持っている子どもも欲求の段階が変動します。
重症心身障害のある子どもの立位では起立台や歩行器などの道具を使うことが多いと思います。座位はその子の身体状況に合わせて作製された座位保持装置を使用します。臥位はクッションなどを利用してより安楽で多様性のある臥位を検討します。福祉用具を含めてその子の環境面の評価が重要です。障害児の運動学や生理学に詳しいリハビリテーション科医師・義肢装具士・理学療法士・作業療法士などが活躍する分野です。
健康面の不安定な子どもは生理的な欲求の充足が必要ですが、休息の取り方は一人一人違います。同じ子どもでもその日その日によっても体調にかなり違いがあります。これについては日々の健康管理をしているご家族や看護師さんやよくわかる分野です。
また、一人一人の興味や意欲もといったものかなり個別性があります。その子どもの要求は何なのかは常識にとらわれずに判断することは非常に大切です。やってみなければわからない部分も多くあります。本人が一番知っているのでしょうが、ご家族、保育士、教師、作業療法士がそれを見つけることがあります。
どんな子どもも生活には休息と活動の両方が必要だということ、重症心身障害をもっていても様々な欲求段階があることを前提として共有した上で、その子どもなりの休息と活動のバランスをどうとっていくのかをご本人やご家族を含めたチームでできると良いのではないかと思います。
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