発達障害の運動(運動イメージのこと)
いわゆる発達障害は米国精神医学会が発行する「精神疾患の診断・統計マニュアル」(DSM)の最新版DSMー5では神経発達症群として記載されています。神経発達症群のなかには知的発達障害群、自閉症スペクトラム症、限局性学習症、注意欠陥多動性障害、発達性協調運動症群、コミュニケーション症群、その他の発達症群の7つが含まれています。発達性協調運動症群は運動発達の問題が著明ですが、複数の診断名が重なっている場合も多いですし、発達性協調運動障害以外の神経発達症であっても低年齢の時期に運動発達の遅れなどを指摘されていた子どももいます。
PTにくる子どもでは手先の不器用さ、バランスの問題、歩き方が変、年齢に比して運動発達の遅れがある、運動嫌いなどが代表的です。
もう少し細かく評価をしてみると、筋緊張、筋力、姿勢バランス、協調運動、運動イメージ、感覚調整、覚醒調整、注意、眼球運動などに問題がある場合があります。子どもの場合は年齢によって能力が向上するので、年齢との関係でみていく必要があります。
運動イメージとは運動とその結果を頭の中で思い浮かべることができる能力です。この能力は発達障害の子どもの運藤を考える際にはとても重要だと思います。検査としては言葉や絵カードなどで示された姿勢や運動を行ってもらう検査がありますが、そのような検査が使えない幼児期の初期までの子どもをみていてもこの子は運動イメージが浮かばない子どもなのかなと思う時はしばしばあります。例えば姿勢バランスの能力が比較的高いのに、姿勢変換や移動をしない子ども達は運動イメージの機能に問題があるのかなと考えたりします。
小さい子どもに運動をイメージさせるためには手遊び、揺れ遊びを使っています。下のような点で効果があると思います。
①体の感覚を感じさせる
②繰り返すことで予期させる
③楽しませることで記憶に残す
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