重症心身障害のある子どもの関節を動かす時の考え方

自分で身体を動かすことが難しい子どもの関節を動かしてあげると
①関節可動域の維持につながる
②呼吸が楽になる
③血行がよくなる
④お着換えが楽になる
⑤座位保持装置に座れるなど日常生活で取れる姿勢の数が増える
⑥本人が気持ちいい
などのいいことが沢山あります。
でも、自分で身体を動かすことができない子どもの多くは骨が弱かったり、関節がはずれていたりするのでリスクもあります。動かす時には十分な配慮が必要です。

よく親御さんにお伝えするのは
①動かす前に呼吸が楽な姿勢をとらせること
呼吸が楽な方が当然ですがリラックスしていて関節が動かしやすくなります。関節を動かすことだけに集中してはいけません。
②身体に触る前に声をかけること
「これから身体をうごかすよ。」と伝えてあげると安心できます。
③触る前に自分の手を温めること
冷たい手で触られたらびっくりしてしまいます。
④子どもの身体を持つときは指先でもたずに指と掌で広く接触するように持ち、持つ場所は動かす関節の前後にすること

図例:股関節を動かすのならば持つのは青いところ膝より下を持つと力のかかり方をコントロールしにくくなります。
⑤動かす時はゆっくりと加える力も最小限にすること
車で見通しの悪い交差点を通過するような感じです。ソロソロと大丈夫かな、どこまで動いていいかなと確かめながらいきます。いきなり交差点から飛び出すのは危険ですよね。
⑥動かしたい関節が硬すぎたら、近くの動かせるところを動かすこと
股関節のそばというと膝とか、骨盤とかです。関節を動かすのが厳しければ、軽くマッサージで皮膚や筋肉を動かしてからという方法もあります。部屋は暖かい方がいいです。お風呂上りも身体が暖かいので動かしやすいです。





 

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