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子供との付き合い方

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 子どもとの付き合い方のコツとして昔から言われていることに「子どもに合わせる」「成長を待つ」があります。数十年前に私が受けた研修講師の先生は「子どもに合わせる」のが「愛」で、「成長を待つ」のが「信頼」という表現をされていました。 実際に「子どもに合わせる」で一番難しいのは子どもと仲良くなることではなく(仲良くしなくていいということではなくて)、失敗をどう許容するかという事だと思います。大人からみれば子どもの失敗は事前に推測できるのでどうしても失敗させないようにしたいと思う気持ちが生じます。しかし、もし大人が手をだそうとすると「やめて」と拒否されることになります。子どもは自分で選びたいのです。 自分で選ぶことは人にとって大切なことだと思います。その子の成長のエネルギ―になります。大人にとって小さなマイナスに目をつぶり、本人に任せることはなかなか難しいことですね。 もちろん、やりたいようにさせるが愛情ではないでしょう。大きな危険は避けなければいけません。これは成長の糧になる小さな失敗なのか、立ち直れなくなる大きな失敗なのか、数年先にどんな影響がでるのか、わからないことが多く大人は悩むばかりです。 正解はないかもしれませんが悩むことは悪い事ではありません。悩みに耐えられるのが大人だと思います。 こどもリハかわせみ

目と手の活動と頭のコントロール

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 物のあり様や人のあり様を知ることは人にとって大切な勉強になると思います。人が最初に物や人あり様を知るときには見て・触れて・動かして確認します。目や手の活動や移動が大切になります。その背景には頭部体幹の安定も大切になります。 目の活動と頭部体幹の安定の関係を考えてみましょう。目は頭部についているので首がすわらないと安定して物を見ることができません。写真を撮る時に携帯を動かさないのと同じことです。携帯は腕を安定させることで固定します。 私達は地球の重力の影響を常に受けているので、安定させるというのは重力に対して保持できる必要があります。そして保持しながらスムースに色々なところに顔をむけられないといけません。 筋肉の面から考えてみましょう。頭は首の周りの筋肉を上手く使って安定させます。上手く使うとはどういうことでしょうか。首の前後左右の筋肉を同時に力をいれると頭が前を向いて固定されます。固定したままでは様々な方向を向くことができません。前後左右の筋肉の収縮を微妙に変えることで顔は色々な方向を向くことができます。 脳性麻痺などで首の安定は不十分なお子様には座位保持装置などで頭を安定させることで、より見ることが楽にできるようなります。 こどもリハかわせみ

ブランコをこぐ

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 ブランコの乗り方も発達します。 最初はつかまって乗っていられる段階です。大人が押してあげることで揺れる事ができます。 次は後ろに自分で下がって足を離すことで勢いをつけることを覚えます。 もっと上手になると揺れの位置と自分の姿勢の関係を使って勢いをつけることを覚えます。 例えば一番前にいった時に頭を前にだしたり、足を前に伸ばしたりすると重心の位置がより前方になり揺れの運動を強くすることができます。後ろにいった時はその逆に重心を後方下げると勢いがつきます。 ブランコが一番高い所に来たら重心を下げて(しゃがむ)・一番低い所に来た時に重心をあげる(立つ)ことでもブランコの揺れを大きくすることができます。 こどもリハかわせみ

バランス①

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人のバランスは姿勢の安定に関連する言葉です。ただバランスは姿勢が動かないようにコントロールすることが最終目的というわけでもありません。ある程度動きながらも転ばない状態の方が生活の中ではより便利な事が多くあります。一番特徴的なのは歩行でしょう。歩行は不安定と安定を繰り返すことで移動しています。完全に安定してしまっては足が前にでません。又、立位に比べると坐位は安定していますが、書字や食具操作の際には微妙に体幹が動いた方が上手に道具を操作できます。人のバランスとは安定と不安定の間のコントロールが自在にできるようになることと考えられます。止まる事と動く事が自由にできると言ってもいいかもしれません。 姿勢の発達は色々な面から考えることができます。生まれてから1歳までの姿勢の変化をみてみると寝ている状態から直立2足歩行にまで変化します。重心バランスは姿勢の安定に関連する言葉です。ただバランスは姿勢が動かないようにコントロールすることが最終目的というわけでもありません。ある程度動けながらも転ばない状態の方をつくれることが生活の中ではより便利です。 一番特徴的なのは歩行でしょう。歩行は不安定と安定を繰り返すことで移動しています。完全に安定してしまっては足が前にでません。又、立位に比べると坐位は安定していますが、書字や食具操作の際には微妙に体幹が動いた方が上手に道具を操作できます。人のバランスは安定と不安定の間のコントロールが自在にできるようになることと考えられます。止まる事と動く事が自由にできると言ってもいいかもしれません。 姿勢の発達は色々な面から考えることができます。生まれてから1歳までの姿勢の変化をみてみると寝ている状態から直立2足歩行にまで変化します。重心(重さの中心)はだんだん高くなります。支えている面の面積は体全体から足の裏へと変化するのでだんだん狭くなってきます。 坐位・四つ這い・立位と赤ちゃんはそれぞれの時期によってとることができる姿勢が増えてきます。例えば一人で立ち始めた時の赤ちゃんは身体に力をいれてあまり形が変化しないようにして立っています。そのうち転ばずに色々な関節に少しずつ動きを許すことができるようになってきて歩けるようになります。歩く前には立った姿勢を保てること、床から一人で立ち上がること、そして何回も転んだり起きたりを繰り返すことが必要となります。赤ちゃ...

幸運の起きる支援(セレンディピティのある支援場面)

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 障害を持った子どもの支援場面で、子ども自身が遊びを考え出せるように持っていけるといいなと思います。 自分で考えた遊びは押し付けられたプログラムよりも意欲的になります。それだけでなく遊びそのものが新しいアイデアを含んでいることもあります。 ある兄弟が考えたアスレチック遊びの写真です。 支援室にある色々なものを自分たちで組み合わせて作ったのですが、ハイハイで渡るので歩けない子どもでもできるという特徴があります。身体の感覚が沢山入るのもいい点です。色々子どもが勝手に組み合わせを考えられるので、自分で考えたものを後で体験してみるという面白味もあるようでした。その後うちの教室では多くの子どもが自分なりのアスレチック遊びを楽しんでいます。 「セレンディピティ」とは「幸運を偶然見つける能力」のことです。教室でも先生でも幸運な偶然の起きやすい場や人ってあります。子どもは可能性のかたまりなのでいい事が起きる可能性が沢山あります。それをつぶさないようにセラピストは自分の持っているアイデアやイメージに固執しない開かれた心を持っていて欲しいと思います。 こどもリハかわせみ

運動能力に影響を与える運動以外の要因とそれへの対応

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 日常の生活の中で何か運動が苦手な子は人によって様々な要因を持っています。その中には運動の協調やバランスの問題・運動学習の問題といった運動そのものの要因とそれ以外の要因があります。 ①苦手意識や不安といった心理的な問題は運動能力に大きな影響を与えます。 この影響の有無を考える時には子供に安心を与える中で運動を見てみる必要があります。一番大切なのは自尊心をきずつけずにその子の価値を認めてあげることだと思います。人は他の人から見下されることをとても嫌います。逆に認められることをと持て好みます。できるだけ信頼関係を作った上で運動能力を見定められれば心理的な要因の影響を大きさを知る事ができると思います。 ②注意の問題や衝動性の問題は運動の正確さに大きな影響を与えます。 この影響の有無を考えるためには気づきを以下に促すかが重要です。始める前に一旦止まってから開始すること、運動をしている途中で経過が上手くいっているのか気づくことを促します。そうすることで運動が少し上手になるのなら注意や衝動性の問題が運動にかなり影響していると考えられます。気づくのは運動ではなく、感覚や結果であることがヒントになると思います。 その他にも次のような要因が考えられます。 ③運動の経験が多いか少ないかも影響します。自然の遊び場や公園などが近くにあるか、周りの大人がそいうところで遊ぶ経験をもたすようにしているかどうかも影響します。 健康や学習・遊び・友人関係に運動が役立つことを周りの大人が知っているだけでも大分違ってくる印象があります。 ④年齢相応の問題も大きく影響します。3歳の子どもは6歳の子どもと同じ運動はできません。 これは典型的な発達の多くの子どもの比較するということではなく、その子なりの成長過程を予測することが大切だと思います。

課題指向アプローチ・過程指向アプローチ・生態学的アプローチ

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 発達性協調運動障害のアプローチには課題指向アプローチと過程指向アプローチがあるといわれます。 課題指向アプローチはある特定の課題解決を目標にしているアプローチいわれています。支援効果があるとする研究が多くあります。課題指向アプローチは一つの方法ではなく、CO-OP、NTTなどいくつかの支援方法があります。これらのアプローチの特徴のうち「本人自身が決めた日常活動の目標を支援者が一緒に解決していく」という考え方に自分は引かれます。 これに対して過程指向アプローチというのは発達理論や機能獲得の理論をもとに現在必要な支援を考えるアプローチです。これも一つのアプローチではなく感覚統合療法など様々なアプローチがあります。これらのアプローチの考え方のうち「先を目指すだけでなく、発達の土台をつくろう。」という考え方に自分は引かれます。 これらのどちらとはいえないが生態学的アプローチと言う考え方もあります。人は環境と相互作用の存在している考え方でこれも広く利用されている考え方です。「その子の力が発揮できる環境を提供しよう。」これも大変魅力的です。環境とは人であったり・物であったり・制度であったりします。 私自身は現在は3つの支援の考え方をうまく合わせてやっていきたいと思っています。 こどもリハかわせみ